黄(中等症)エリア

緊急に治療をしなければならないわけではないが入院が必要と考えられる中等症を診る黄エリアは、本館1階ロビーに設営します。

黄エリアは最も混乱する可能性が高いエリアです。原則入院が必要な被災者なので、必要な検査やレントゲン撮影、初期診療をしつつ、本部に要請して入院の段取りをしなければなりません。

黄エリアの設営は、まず植栽を端へ移動させた後、院内にあるストレッチャー(放射線科裏)や、テーブル、イス、また、ロジスティクスセンターから緑エリアに回してくるdERUの物品などを使ってエスカレーターの東側に行います。薬剤部、検査部もブースを作ります。

医師はなにをする?(ここをクリック)
・黄エリアには目安として医師は15名配置され、中等症に対応する。
・まずは黄エリアの医師のゼッケンをつけ、他職種とともに1階ロビーに黄エリアを立ち上げる。
・本部からリーダー医師に指名された医師は、リーダー看護師、リーダー事務とともに全体を統括し、診療には加わらない。
・リーダー医師は、リーダー看護師とともに空床状況を常に把握して入院の適応とタイミングを決める。
・リーター以外の医師は、トリアージエリアから来た黄タグの被災者の二次トリアージを行い、再度分別をする。
・検査、診断をしてトリアージタグに記載する。
・黄エリアの被災者は基本的に入院が必要な患者であるので、入院前の処置、治療をどこまでするかを決めて行う。
・リーダー医師、リーダー看護師に状態を説明し、入院あるいは手術へ。

入院の連絡手順


・医師の数も物品も足りないため、医師は専門外の診療をしなければならないことがある。
・また普段の診療と同じように検査やレントゲンをオーダーするとすぐにパンクすることを念頭において診療をすること。
・電子カルテが停止している場合は紙伝票でオーダーする。
・自分の診た被災者を最後(入院)までフォローすること。
・被災者は不安なため、常に声掛けを忘れないこと。
看護師はなにをする?(ここをクリック)
・黄エリアには目安として看護師は12名配置され、中等症に対応する。
・まずは黄エリアの看護師のゼッケンをつけ、他職種とともに1階ロビーに黄エリアを立ち上げる。
・本部からリーダー看護師に指名された看護師は、リーダー医師、リーダー事務とともに全体を統括し、診療には加わらない。
・リーダー看護師は、リーダー医師とともに空床状況を常に把握して入院の適応とタイミングを決める。
・リーター以外の看護師は、トリアージエリアから来た黄タグの被災者の二次トリアージを医師を補助して行い、再度分別をする。
・医師が時間的にトリアージタグに書けないような場合、診療内容を記載する。
・医師を補助し、リーダー医師、リーダー看護師に状態を説明し、入院あるいは手術へ。

入院の連絡手順


・普段の診療と同じように検査やレントゲンをオーダーするとすぐにパンクすることを医師にも伝える。
・電子カルテが停止している場合は紙伝票でオーダーする。
・自分の担当した被災者を最後(入院)までフォローすること。
・被災者は不安なため、常に声掛けを忘れないこと。
事務職員はなにをする?(ここをクリック)
・黄エリアの事務職の目安は4名。
・黄エリア事務のゼッケンをつけ、他職種とともに1階ロビーに黄エリアを立ち上げる。
・エリア内に事務ブースを立ち上げる。


・黄エリアに搬入される被災者のトリアージタグの2枚目を回収する。
・「傷病者取り扱いリスト」を作成し、黄エリアに来た被災者のその後の転帰(入院、手術、後送、帰宅)を記載し、災害対策本部へ適宜報告する。
・被災者に家族(付き添い)がいるかを確認。家族一人だけついてもらい、あとは帰宅してもらう。
・二次トリアージで緑(軽症)と判断された被災者を緑エリアへ誘導する。
・入院が決まった患者を病棟へ移送(家族がいれば一緒に)
・使用後のストレッチャー、車いすをトリアージエリアへ戻す。
薬剤師はなにをする?(ここをクリック)
・常駐薬剤師・薬品カートが搬入されるまでは救護班の医療セットを使用する。
・黄エリアの薬品カートを搬入する。

【カートの配置図】




・各救護エリアリーダーとの打ち合わせを行い、他の職員と協力して、エリア設営にあたる。
・能な限り薬剤師1名以上が常駐し、必要に応じて応援を依頼する。
・医師、看護師からの依頼に応じて薬剤の払い出しを行う。
・必要に応じて処方支援(処方箋の記載代行(処方箋の書き方はこちら)、処方薬の提案等)や注射薬の調製業務を行う。
・院内で不足しそうな薬剤が発生した場合は、医師や看護師へ情報提供を行う。
・薬品カートの使用状況を把握し、不足薬剤があれば支援班薬剤師に薬品の請求を行う。

☆補足事項☆
・薬品オーダーについては、電子カルテが稼働している場合は電子カルテを使用する。
・後日コスト請求手続きを行うため、保管した請求伝票/処方箋は最終的に医事課に渡す。
検査技師はなにをする?(ここをクリック)
・黄エリアには検査技師4名が常駐する。
・他職種とともに1階ロビーに黄エリアを立ち上げる。
検査が可能となった時点で正面エレベーター前にブースを設営する。

・電子カルテ停止時は紙伝票で運用する。
・紙伝票と採血管はエリア担当の技師が検査部から搬入する。
・検体は、採取後伝票とともに検体搬送者が検査室へ搬送する。
検査結果は、検体搬送者がエリアに届ける。
・検査技師は適宜検査部と連絡をとり、検査が可能な項目や所要時間の目安をエリアに伝える。


放射線技師はなにをする?(ここをクリック)
・黄エリアのレントゲン撮影は通常の放射線科で行うため、常駐の放射線技師は置かない。
・黄エリアは、当初は単純レントゲン2台とCT2台で行う。

・電子カルテが停止している場合は紙伝票で運用する。
・伝票はトリアージタグの3枚目にホッチキス留めし、患者とともに動く。
・通常の診療と同じ感覚で医師が申し込むとすぐにパンクするため、適宜医師側に、待ち時間、所要時間を共有する。
・フィルムはないため、医師はモニター画面で確認する。

放射線技師の各エリアの動き

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